シンママ&シンパパの再婚(その3)
相談所も色々、会員も色々、仲人も色々です…。日々の活動を通して、“心に移りゆくよしなし事” を気の向くままに(気が向いたときに...)少しづつお話しして見たいと思います。
今日は、『シンママ&シンパパの再婚(その3)』をお送りします。
「平成28年度 人口動態統計特殊報告 婚姻に関する統計の概況」(厚生労働省)によると、女性だと20歳代までに離婚した人は、離婚した年を含む離婚後5年以内に3割を超える人が再婚、30代前半だと約3割、30代後半でも約2割が再婚しています。しかし子供がいることによって、当人同士だけの話ではなくなるので、より慎重に物事を進めなければなりません。
バツイチ子持ちのお相手と結婚を前提に付き合ってはいるものの、子供のことや元旦那(妻のこと、離婚の原因など気になる点が多いものです。更に当のお相手も結婚に躊躇しているとなれば、なおさら今後の付き合い方に頭を悩ませる方が多い筈です。そこで、今日はバツイチ子持ちのお相手との結婚前に確認しておきたいこと、そして大切な「養子縁組」に関することを考えて見たいと思います。
<バツイチ子持ちとの結婚前に確認すべきこと> (出典:Smartlog)
①離婚した原因の理由を教えてもらう
お互いの信頼関係を深めたら、さり気なく離婚の理由を聞いてみます。元旦那(妻)に原因があれば、詳しく理由を話してくれますが、もし自分に非があった場合はうやむやにしようとするかも知れません。
ただ、本当に思い出したくないぐらい嫌な記憶の場合もあるので、しつこく聞くとお相手から嫌がられることもあります。タイミングを見極めて「これから二人のことを真剣に考えたいから、隠し事をしたくないんだ」と伝えれば相手は話してくれるでしょう。
②子供がいても金銭的に問題がないか計算する
バツイチ子持ちのお相手と結婚を考えるなら、今後の生活費を具体的に算出するべきです。お互いが好き同士だから結婚という選択は間違ってはいませんが、自分たちの気持ちを優先するのではなく、まずは子供のことを考えなければいけません。
子供が小さければ、これからいくらお金がかかるのか一度算出しましょう。お金のことを考えずに結婚をすると「結構子供にお金がかかる」という感情を抱いてしまい、別れの原因になることも考えられます。まずは、これからかかっていく金銭面を把握しましょう。
③子供とのコミュニケーションは十分取れているか確認する
バツイチ子持ちのお相手との結婚をお互いが望んだとしても、子供とのコミュニケーションが取れていなければ一緒に生活を始めてもすれ違いが起こるばかりです。
先ずは、子供との中を深めるためにデートには子供を交えて出かけるといったことを繰り返えしていく必要があります。子供とのコミュニケーションは、再婚する上でとても重要なことだと思います。
④親に紹介した時に納得してもらえる様に工面する
バツイチ子持ちとの再婚は昔に比べ増えてはいるものの、親の世代では拒否反応をする人も。まずは、親にどうやって話をするべきか考えることが大切です。
親がバツイチ子持ちに抵抗感を持っているのであれば、まずは兄弟に味方になってもらうことも1つの方法です。どうやったら、結婚できるかを予め計画を立てておくことが重要になると思います。
⑤結婚に対する価値観を共有しておく
子持ちの女性と再婚を考える時は、お互いの価値観を事前に確認しておくことがとても大切です。
結婚後の将来はどうしていきたいのか、お互い話しておくことで、結婚後に「こんなはずではなかった」ということが避けられます。お互いの考えを深く知るためにも、結婚前には将来の話をそれぞれ必ずしておくことをお勧めします。
⑥元旦那(妻)と子供が会う頻度を確認する
バツイチ子持ちのお相手との結婚で事前に確認しておくことは、元旦那(妻)と会う頻度です。子供が小さければ、親も一緒についていくことが多くなり「元旦那(妻)とよりが戻るのでは?」と不安になります。
余計な不安を抱かないためにも、どのくらいの頻度で会っているのかは確認しておきます。そうすることで、結婚したとしてもお相手に対して不安や不信感を持つことがなくなります。
<養子縁組について> (出典:Legal Mall、結婚STYLE)
①普通養子縁組
実の親との親子関係はそのままで養ってくれる親と親子関係を結ぶ制度です。実の親と養親の両方から相続を受けられますし、扶養義務もそれぞれにあります。
②特別養子縁組
実の親との親子関係を解消して養ってくれる親と親子関係を結ぶ制度です。子供の年齢は6歳未満、養親の一方が25歳以上という条件があります。
③養子縁組するメリット、しないデメリット
実の子と同じように法律上取り扱われるというのが、養子縁組の一番のメリットです。養親が亡くなれば、実の子と同じように財産を相続できます。しかも、実の親との親子関係はそのままなので、実の親が亡くなっても財産を相続することができるのです。もし養子縁組していなければ、実の親からしか財産を相続できません。
④養子縁組するデメリット、しないメリット
子連れ再婚で養子縁組すると実の親子と同じ扱いにあり、自由に養親との親子関係は解消できなくなります。実の親が離婚したとしても、その子供は離縁の手続きをしなくては、養親との親子関係は解消できないのです。
また、養子縁組により扶養義務も発生するため、養親は子供の養育費を負担する義務があります。養子縁組をしなければ養育費を負担する義務は発生しません。
⑤養子縁組の手続き
子連れで婚姻の手続きをすれば自動的に戸籍に子供と同じ戸籍に入るわけではりません。養子縁組の手続きは、再婚する相手の本籍地または住所の市町村の役所で行ないます。
その際には婚姻の手続きと同様に、2名の成人の証人が必要です。また、養子縁組届には、再婚相手や連れ子の情報の他に、実の親や新しい親である養親について書く必要があります。
⑥普通養子縁組をした場合の戸籍と氏(苗字)
戸籍の子供の欄に、養子縁組をした日付、養親の氏名が表記されます。続柄の部分には連れ子が男の子なら「養子」、女の子なら「養女」と表記されます。夫のところには、養子縁組をした日付・養子の氏名が表記されます。つまり、普通養子縁組をすると連れ子の苗字は自動的に男性の苗字になります。
⑦特別養子縁組をした場合の戸籍と氏(苗字)
戸籍には「養子」とは記載されず、普通の親子と同じように「長男」「長女」「二男」「二女」というように記載されます。実の親子と同じ関係になるので、苗字も同じになります。
⑧養子縁組をせず、シンママがお相手男性の苗字を選択する場合
子連れ再婚をしただけなので女性は男性の戸籍に入りますが、女性の連れ子は女性の戸籍に残されたままの状態です。男性と女性は同じ男性の苗字ですが、女性の連れ子は元の苗字のままです。子供が苗字を変えたくないという場合は、そのままでも問題ありません。その状態でも親子として生活していくことは可能です。
子供が男性と同じ苗字にしたい場合は、養子縁組をせずに子供の苗字を男性と同じにすることができます。「子の氏の変更」を裁判所へ申請して許可が下りれば、役所へ入籍届を提出します。その際には女性も子供も男性の戸籍に入った状態になりますが、男性と子供との間には法的な親子関係はないので親子関係の表記はありません。
⑨養子縁組をせず、男性がお相手シンママの苗字を選択する場合
婚姻届を提出する際に男性が女性の苗字を選択すると、男性は女性の戸籍に入ることが可能です。男性の戸籍は誰もいない状態になり、男性・女性・連れ子は女性の戸籍に記載された状態で、全員女性の苗字になっています。男性と子供には親子関係はなく、子供の苗字は再婚前と同じです。
⑩養子縁組の注意点
養子縁組では、親権者の他に子供の世話をする権利を持つ「監護者」がいる場合は、その人の同意も必要です。
たとえば離婚の際にあなたが「親権者」、離婚相手が「監護者」となっている場合、養子縁組には離婚相手の同意も必要になります。
<戸籍以外の手続きについて> (出典:結婚STYLE)
シンママ&シンパパの再婚では、戸籍以外にも必要な手続きがあります。たとえば、ひとり親家庭のための「児童扶養手当」などの制度を現在利用している場合です。
再婚すると、ひとり親家庭のための制度は利用できなくなるので、「資格喪失」の届出が必要です。
また、再婚後に彼の「扶養家族」として彼の社会保険に加入するのであれば、そのための手続きもしなければなりません。
公的な手当てや保険については、お二人で一緒に確認して、早めに手続きを進めていきましょう。
<おわりに>
子連れ再婚の場合は、結婚を決める前に、お二人で色々と確認しておくべきこと、準備しなくてはならないことが沢山あることを考えて見ました。特に子供に関しての手続きには特に慎重にしなければなりません。
まず考えたいのが、子供を彼の養子にするかどうかです。養子にするとお相手からの「相続権」や「扶養義務」が発生し、子供の名字も変わります。子供にとっても大切な話なので、当事者全員で良く話し合った上で決めましょう。
その上で、子供を養子にする場合は、「養子縁組」の手続きが必要になりますし、一方、子供を養子にしない場合、あなたがお相手の戸籍に入るのであれば、子供の戸籍と名字を変えるための手続きが必要になると言う訳です。シンママ&シンパパの再婚には、初婚の時とは比べ物にならない“やるべきこと”が沢山あります。先ずはお二人の再婚への覚悟をしっかりと固めることが何よりも大切になります。
今日は、この辺で失礼します。
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