あるお見合いの顛末(その14)


※この物語は実話にもとづいては居りますが、あくまでフィクションとしてお読みください。 


このところ、田中様(仮名)と鈴木様(仮名)の初デートの棚上げ状態が一ヶ月も続いている事に、毎日が憂鬱で仕方なく、何よりも当の田中様に申し訳なくて堪りません!。先方相談所の常軌を逸した、支離滅裂な対応にも辟易しています。もう終わりにしなければ…。今日は「あるお見合いの顛末(その14)」をお送りいたします。 


こちらの意向を全く意に介さない、先方の違約金逃れの“会いたい攻撃”は執拗に続きました。しかし、人の気持ちはそうそう騙せるものではありませんし、嘘の向こうに本音が透けて見えるものだと思います。先方は次の様に認めています!。 


「ファーストコールを5回も無視したのは、意味も深く理解せずに活動を開始してしまったから。」 


「翌日のお電話もファーストコールと理解させることが出来なかった。」 


「マナーとされている留守電内容への“折り返しコール”も理解しておらず無視した。」 


「“ほんの軽い気持ち”で交際をOKしてしまった。」 


「一ヶ月先の初デートの提案も、予定の調整を深く考えずご提案させてしまった。」 


「田中様に最大限に譲歩して貰い、一ヶ月お待ちいただいた後での再度の初デート提案も、ためらいも無く、ただ忙しいとの理由で、更に一ヶ月先の日程を提案させてしまった。」


「入社間もない社会人としては違約金が発生するのも困るので、もう一度お会いしたいと思います。」 


ここまで理不尽な対応をしておいて、次に言う言葉が… 


「いろんな方とお会いし、田中様とお会いしたい鈴木の気持ちは変わりません。どうか田中様へ伝えて下さい」 


いったいどう言う気持ちでそんな訳の分からない事を平気で言えてしまうのでしょう!…。田中様へは最初から一言一句逃さずに伝えており、だからこそこんな大事になっていることすら理解できていない…いや理解しようとしない…。今迄の常軌を逸した、支離滅裂な対応に心の底から不信感を募らせ、怒りを覚え、「絶対に鈴木様とテリブル緑山相談所様の身勝手を許さない!」との田中様ご本人の嘘偽りの無い本音をお伝えしているのです。その上で、「身勝手な逃げ得は許さないそちらからお断りを申し出されるのが誠意の表し方だと思います。」と申し上げても、決して意に介そうとせず“会いたい攻撃”一辺倒…。 


昨晩、やり取りに疲れ果て、最後通牒のつもりで「これからも同様の‟軽い気持ち”に付き合えるほど寛容な人間ではありません。」と田中が言い放った言葉が全てだと思います。安部様の今後のご縁と幸せをご祈念申し上げます。と申し上げてからは丸一日、何も返事が届きませんでした。流石に諦めて心から詫びて、先方から「お断りの誠意」を示す気になってくれたのでしょうか??。いやいや、静かな一日の理由は別にありました。先方がただ「定休日」を忠実に消化なさっていただけだったのです!。いつになく短めですが、オチもつきましたので、今日は、この辺で失礼します。

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