あるお見合いの顛末(その13)
※この物語は実話にもとづいては居りますが、あくまでフィクションとしてお読みください。
お相手の鈴木様(仮名)が現在予定されているお見合いを消化する間、“果たされない初デート”を棚上げにすると言う、前代未聞の譲歩をして7月1日の打ち合わせの日を迎えましたが、残念ながら届いたメッセージは簡単な内容でしかありませんでした。今日は「あるお見合いの顛末(その13)」をお送りいたします。
「鈴木は7月も忙しいのですが、お会いしたいと言っています。候補日を2つあずかっています。田中様(仮名)のデートの候補日です。21日 午前中、27日 午前中、よろしくお願いいたします。」
何と!!これだけ!!。6月10日に交際成立してから早21日目、先方の事情を最大限に尊重して待っていた相手に、こ、これだけ???。
一先ず、状況報告を田中様へ入れるとこんなメールが返ってきました。
「ここまで馬鹿にされて、譲歩と配慮を踏みにじられたことは、今迄経験したことがありません!。彼女が未熟なことなど、お会いする前から解っていたことですし、私もそれを理解した上で申し込みました。しかしながら交際成立後の彼女の言動は未熟云々を通り越し、人としてやってはいけないルール違反、モラル違反を繰り返し、あまつさえ今回の提案や姿勢から自らの失態がどこにあるのか、理解しているとは到底思えません。再び3週間も先の日付を提案するような方になぜ私がお会いしなければならないのか、理解に苦しみます。」
正に、仰る通りです!。田中様の押さえようのない怒りとお相手の鈴木様、それに先方相談所のテリブル緑山の山本様(仮名)への不信感をメールにしたためました。
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お世話になっております。
いただいたメールを読ませていただきました。
疑問な点が3つほどありましたので返信いたします。良くお読みいただいた上でお考えいただければと存じます。
一つには、5回のファーストコールを無視した件は、不慣れで理解してなかったと苦しい言い訳をされていますが、翌日の再コールを、またもや無視した件や、留守電への折り返しコールもしなかった件は、説明になっていないと感じます。
二つには、7件のお見合いが終わるのが6月29日だったのに、そこから更に1ヶ月も先の7月28日(2時間限定)の初デートを提案した理由が何も触れられていません。余りの誠意の無さに不信感を抱いても当然だと思いますが...。
三つめは、先日は「ほんの軽い気持ちで交際をOKされた」と仰ってましたが、今日の時点では「会いたい」、でも他に優先すべきことがあるので、更に20日以上も先の日程で良ければ...。この矛盾はペナルティ逃れとしか理解できません。仮に、「ペナルティ要らないから終わりにしましょう。」と言ったら、二つ返事で「そうしましょう」と胸を撫でおろすのか、それでも「会いたい」気持ちを通されるのか、どちらでしょうか?。
最後に、現在の田中の気持ちを代弁させていただきます。交際成立後の鈴木様の言動は未熟云々を通り越していると思います。人としてやってはいけないルール違反、モラル違反を繰り返し、あまつさえ今回の提案や姿勢から、ご自分の失態がどこにあるのか、理解しているとはどうしても思えません。再び3週間も先の日付を提案するような方に、なぜお会いしなければならないのか、先方は「ほんの軽い気持ち」でしかないのに、理解に苦しみます。
人の気持ちはそうそう騙せるものではありませんし、嘘の向こうに本音が透けて見えるものだと思います。このメッセージをどう受け取られるのか、正直、私には想像がつきません。しかし、少しでも私の言葉に同意される部分があるとすれば、そちらからお断りを申し出されるのが誠意の表し方だと思いますが、如何お考えになりますでしょうか。
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すると、こちらの状況など、全く意に介さない返信が届きました。
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お世話になっております。テリブル緑山の山本です。
メール拝見いたしました。
文章が不十分なのは申し訳ございませんでした。
ファーストコールの意味も深く理解せずに活動を開始してしまった件、
翌日の深夜まで仕事にて弊社の連絡にも出れなかったことにより、翌日のお電話もファーストコールと気付かなかったこと、本当に理解させることが出来ず申し訳ございませんでした。
一か月後のデートの提案も、予定の調整を深く考えずご提案させてしまった事に対しても申し訳なく思います。
ただ、いろんな方とお会いし、田中様とお会いしたい鈴木の気持ちは変わりません。
鈴木より、日程につきましては後半になり本当に申し訳ございませんが、宜しければお会いしていただけませんでしょうか。
よろしくお願いいたします。
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よくもまあ、ぬけぬけと…。私もすぐに返信いたしました。
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お世話になっております。
本日のご提案を、先ほどいただきました「鈴木より、田中様へ」の文章と共に田中へ送りました。そこで田中からすぐ電話を貰い、私が延々と本人の気持ちを聞いた末に、先ほどのメールを出させていただきました。残念ですが、田中の怒りと不信感は至極当然だと思います。「何故、私が会わなければならないのですか?」と言われて、返す言葉が見つかりません。今日の内容が決定的だったと申し上げるしかございません。「お断り」の誠意をお示しいただきたくご期待申し上げます。
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先方もまだ喰い下がります。
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お世話になっております。テリブル緑山の山本です。
ご連絡拝見いたしました。
鈴木も真剣に考え、他の方をお断りし、田中様とお会いしたいと申している鈴木の気持ちを知っている以上、是非お会い出来たらと考えております。
本当に田中様にはご迷惑をお掛け致しましたが、お会いしたい旨をお伝えお願いいたします。
よろしくお願いいたします。
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先方の悪意に満ちた“お会いしたい”攻撃は全てお伝えしております。田中様の1ヶ月を無駄にしている責任は何も感じないのでしょうか…。「お断り」の誠意をお示しいただきたくご期待申し上げたこちらの考えが、そもそもの間違いだった様です…。誠意の伝わらない相手に最後通牒のつもりでメッセージを送りました。
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お世話になっております。
先ほど、田中とはやっと話を終えたところです。今迄の件に加え本日の件が加わり、決定的になってしまったのは、誠に残念です。田中曰く「これからも同様の‟軽い気持ち”に付き合えるほど寛容な人間ではありません。」と言い放った言葉が全てだと思います。鈴木様の今後のご縁と幸せをご祈念申し上げます。
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流石に、このメールへの返信は届きませんでした…。また日付が変わろうとしていました。今日は、この辺で失礼します。
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