あるお見合いの顛末(その5)


※この物語は実話にもとづいては居りますが、あくまでフィクションとしてお読みください。 


 こちらからの延べ6回に及んだファーストコールへの“折り返しコール”が無いまま、3日目の朝を迎えました。今日は何か別の打開策を考えなければならない…。でなければ田中様(仮名)が可哀そう過ぎる…。彼のプライドを守って差しあげねば…。そう考えを巡らせていた矢先に、メールの着信音が鳴りました。今日は「あるお見合いの顛末(その5)」をお送りいたします。 


それは田中様からのメールでした。  

「おはようございます。先ほど鈴木さん(仮名)からSMSで返信がありました。仕事が忙しかったそうです。電話には気づいていたとのこと。釈然としませんが取り急ぎご報告まで。」  

すると、今度は先方仲人からのメール着信です。 

「テリブル緑山の山本(仮名)です。鈴木に確認を取りました。仕事により夜は遅く電話が取れなかったようでございます。ショートメッセージだけでも返信する旨を伝えましたので、よろしくお願いいたします。尚、鈴木は初めてのお見合いで今回が初めての交際となり要領をつかんでおらず、申し訳ございませんでした。田中様へも御社様へも、大変なご迷惑とお手数をお掛け致しまして申し訳ございませんでした。」 


丸一日経過している状況でのこのメール内容に、実際は何があったのかを聞かないと、待ちぼうけをくらわされた田中様に納得して貰えないと思い、先ずは先方へ事実確認のメールを返信いたしました。 

「お世話になっております。今朝、8:30頃に田中から連絡が入り、鈴木様からSMSメールをいただいたとのことです。『仕事が忙しかった。電話には気付いていた。』との内容でした。10日の21時46分に貴仲人様から連絡を取る旨のご対応をいただき、本日12日の早朝まで丸一日以上が経過しており、何事があったのだろうと田中と共に話しておりました。実際には、どの様な事情がおありだったのかを、情報共有願えませんでしょうか。何とぞよろしくお願い申し上げます。」 


すると、間もなく先方仲人様からリプライが届きました。 

「テリブル緑山の山本(仮名)です。一昨日の21時46分の際に鈴木と連絡を取るとのお約束した件は、直接話した訳ではなく、その時刻に管理画面において田中様へ“折り返しコール”をする様に伝えました。ただその後、丸一日空いてしまったのは、弊社定休日の為、既読になっているかの確認が出来ませんでした。しかし、本当に連絡が取れているのか心配で昨日夜に鈴木へ再びショートメッセージを送り田中様への件を伝えました。本日朝になって、ようやく鈴木より返信が来た状態でございます。本人が申すには、『仕事が夜遅くまでになったことに加えて、交際決定後に送られてきた、ファーストコールに関する案内が書かれたメールを、確認していなかったために田中様から入るファーストコールのルールを失念しておりました。』との事です。今回は田中様と御社様には大変ご迷惑をお掛けしたことをお詫び申し上げます。今後このようなことがないよう徹底していきます。よろしくお願いいたします。」 


先方仲人様は幾つかのミスを犯しています。  

①一昨日の21時46分の際に鈴木様と連絡を取ると約束しておきながら、実際は専用ツールで「交際相手の田中様へ“折り返しコール”をする様に。」とメッセージを入れただけの対応だった。  

②定休日を理由に、丸一日、その内容が「既読」になっているか否かを確認しなかった。  

③昨夜、ファーストコールの件で、丸一日経っても事態が好転しておらず、状況を確認していただきたい旨のメールが私から届き、それでも鈴木様と直接話すことはせず、仕方なくご本人へ確認メールを送って田中様へ「ショートメッセージだけでも返信する様に」と促した。 

④そもそもお見合い後のプレ交際に関するルールを予め説明し納得していないうちにお見合いを始めてしまった。 恐らく契約時に必ず行わなければならない、「重要事項説明書」や「入会申込契約書」に書かれている違約金などの項目を含めてFace to Faceで1行づつ説明し、納得しておらず、サインだけ書かされた。と直ぐに感じました。 


 正直、いい加減な先方の対応に、空いた口が塞がらない感じになりながらも、ご縁を繋げなければと言う気持ちで返信しました。 

「お世話になっております。せっかく成立したご縁ですので、何事かで齟齬が生じるのは本意ではございません。今朝、鈴木様からいただいたメールへ田中から返信をさせていただき、ファーストデートの日程を確認中とのことで、鈴木様からの返信をお待ちしている状況です。仲人様からもなるべく早めに都合の良い日を答えていただける様にご確認願えればと存じます。今後とも仲人間の情報共有も含めて、何とぞよろしくお願いいたします。」 


田中様へも現在の状況を伝えると…。 

「概ね予想通りの反応でつい笑ってしまいました。せっかくの縁を台無しにしたくないので、これ以上の追及は本意でありません。先方仲人も彼女もそんな感じですので、いつも以上のご負担をおかけすると思いますが、今後も何卒よろしくお願いいたします。  

追伸:これが同世代以上でしたら怒りが収まらなかったと思いますが、相手が年下と言う利点が今回改めて自認出来た気がします。」 


丸二日も無視され続けたのに、この“神対応!”。しっかりと今後の段取りを効率よく進め、二日間の“悪夢”を帳消しにしてあげなければならない、との思いを強く感じました。今日は、この辺で失礼します。

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