「独身税」と言われる“隠れた税金”
相談所も色々、会員も色々、仲人も色々です…。先日から、いわゆる “結婚相談所あるある” をお送りしています。日々の活動を通して、“心に移りゆくよしなし事” を気の向くままに(気が向いたときに...)少しづつお話しして見たいと思います。
今日は、『「独身税」と言われる“隠れた税金”』をお送りします。
昨日は、所得税や住民税など、累進性の強い税金にスポットを当て、「額面」と「手取り」が年収ベースでどのくらいの金額になるかを、お話ししました。今や“共働き世帯”が約半数を占めると言われている現状を考えれば、結婚相手の条件として、独身者一人の給与額、それも額面で何百万以上の方…と言ってみたところで、婚活の窓口を自ら小さくするだけで、実質的な意味は余り感じられない筈…。それならば、パートナーになる自分が一定の収入を得る前提で将来設計を考え、多くのお相手候補の中から人物や人柄重視で相性ピッタリの方を選ぶことが肝要だと思います…と言った内容を書かせていただきました。
今日は、少し視点を変えて、独身のままでいる事で、実は“無名の税金”を払い続けていると言う話をさせていただきます。これを理解することで、“独身者の額面収入”をお相手の条件にすることの無意味さを感じて貰えれば幸いに思います。数字に関しては、昨日と同様に国税庁の累進課税・年金機構の社会保険計算方法を使用しています。
<独身世帯の給与所得の場合>
昨日のデータを使い、年収が100万円増加すると実際の手取り金額が幾ら増えるのかを出して見ました。なお、分かり易くするために1万円以下は四捨五入しています。
年収 手取り額 手取り増加額
300万円 232万円
400万円 308万円 76万円
500万円 382万円 74万円
600万円 451万円 69万円
700万円 516万円 65万円
800万円 581万円 65万円
900万円 650万円 69万円
1,000万円 718万円 68万円
(参考:酒井会計マネーブログより)
独身世帯の場合は昨日も見ていただいた通り、税金でドカッと持っていかれます。(納税は国民の義務ですので…沢山の税金を喜んで払わせていただいてます…。が正しい表現です(笑)。)女性の皆さんのプロフを拝見していると、お相手の額面収入が500万円以上を希望条件としている方が数多く見受けられます。手取りだと382万円と言うことになります。
ちなみに400万円を条件にしている方はグッと減ってしまうのですが、この方の手取りは308万円です。額面で年収が100万円の差があっても、手取り増加分は74万円にとどまります…。であれば、所得税がかからない103万円をパートナーである自分が稼ぎ出すことを前提にすれば、手取りの合計額は411万円となり、年収500万円の独身者の手取りよりも、結果として29万円も多くの収入を得られることになるのです。
だから年収500万円以上の方だけを対象とするより、より多くのお相手の中から相性ピッタリの方を選べる確率が格段に上がるのではないでしょうか?!。と、ここまでが昨日の復習です。しかし、結婚することで得られるメリットとして、独身の時に比べて「控除額」が増えると言うことを忘れてはいけません。逆に言えば、独身でいることで「独身税」と言われる“隠れた税金”を支払っていることになるのです。ここ、凄く重要なポイントです!!。
<夫婦(パートナーが専業主婦や専業主夫)世帯の給与所得の場合>
年収 手取り額 手取り増加額
300万円 245万円
400万円 321万円 76万円
500万円 397万円 76万円
600万円 469万円 72万円
700万円 541万円 72万円
800万円 604万円 63万円
900万円 667万円 63万円
1,000万円 730万円 63万円
(出典:お金のカタチ)
婚活が成功してご夫婦となった場合、「配偶者控除」を利用できますので、独身世帯の場合と比べて、給与が一緒だとしても手取りを増やすことが出来るのです。妻帯者の年収400万円の手取りは321万円ですから、これに所得税非課税限度額の103万円をパートナーが稼げば手取りの合計は424万円となり、独身者の年収500万円の手取り382万円よりも、実に42万円も多くの収入を得られることになるのです。しかもこの金額は日本人の平均給与額に匹敵するものです。だったら、年収500万円のお相手に条件を絞る意味が余り無くなってしまうと感じられませんか?!。更に次の例を考えて見ましょう。
<専業主婦(専業主夫)1人、子供2人の場合>
年収 手取り額 手取り増加額
300万円 256万円
400万円 334万円 78万円
500万円 410万円 76万円
600万円 485万円 75万円
700万円 558万円 73万円
800万円 629万円 71万円
900万円 694万円 65万円
1,000万円 757万円 63万円
(出典:お金のカタチ)
この場合、「配偶者控除」に加えて「扶養控除」の対象となりますので、どの年収の場合でも独身と比べて手取りが一層増加していることが見て取れると思います。年収400万円の手取りは334万円となり、独身者の年収500万円の手取り382万円との差額は、何と48万円に縮まってしまいます。
それなら先ほどと同じロジックで考えれば、年収400万円の方と結婚して、やがて4人家族となった場合、自分で所得税非課税限度額の年間103万円分の収入を稼げば、手取りは合計で437万円となり、年収500万円の独身者は愚か、年収550万円の独身者と同等の手取り収入を得られることになるのです!。ここまで考えればもう明々白々、つまり、年収500万円のお相手に条件を絞らないと不安で仕方ない、と言う呪縛から解放されるのではないでしょうか?!。
<まとめ>
“独身世帯の年収に対しての手取り額”と“夫婦世帯の年収に対する手取り額”を比較してみましたが、如何でしたでしょうか?!。最初のタイトルにも書きました通り、「独身税」と言われる“隠れた税金”を実に長いこと納め続けているのだと、改めて気付いていただけましたでしょうか?!。年収に対しての金額差がこの数字ですから、これを20歳まで遡って計算すれば、莫大な金額になり、それこそ舌打ちしたくらいでは済まない洒落にならないほどの差額になってしまいます。
婚活真っ最中の皆さんも、これから婚活をすると決心した皆さんも、全ての皆さんの婚活の成功を応援したいとの一心で、毎日“仲人カウンセリング”をさせて貰っています。どうせなら、現実をしっかりと分析し、本当に必要な条件だけに絞った、“成婚への可能性を最大化”した婚活プロセスを最短距離で進んで行きましょう!。“成婚のプロ”である私達が寄り添いながら毎日のサポートを続けて行く覚悟です。その戦略の一つとして、是非ともお相手の収入面での条件を緩和して間口を広げてみましょうと提案させていただきたいのです!。
昨日の、国税庁「民間給与実態統計調査」の年収別の人口比率をもう一度ご覧いただくと良いのですが、年収500万円以上の比率は29.94%と全体の30%を割り込んでしまいます。しかし、400万円以上と条件の間口を広げることで44.72%と一気に増加し、350万円以上にすれば、50%を超えます。この違いは大きいと思います。繰り返しになりますが、どうせ結婚するのなら、見掛け上の収入とかではなく、そこは取り敢えず横に置いておいて、“人柄重視”そして、何よりも“相性重視”で進めていただければと思います。
“お前百までわしゃ九十九まで”
これは、「お前様(夫)が百歳まで、わしゃ(わたしは)99歳まで、仲良く暮らして行きたい」と言う意味ですが、この解釈は二通りあるそうです。一つは、相手に先立たれることによってさびしい思いをしたくないから自分より先に死なないで欲しいという願いを込めたもの。と言われ、もう一つの解釈としては、昔は姉さん女房をもらうことが喜ばしいとされていたことから、一つ年上の妻と結婚した夫の場合、夫が百才、妻が九十九才で夫婦が一緒に最期を迎えられると言うものだそうです。
お互いに長生きするのが大切ですが、夫婦が仲睦まじく長続きする為には、やはり二人の相性の良し悪しがポイントになると思いますので、そこを見極めたお相手選びをする必要があります。また、夫婦となるからには、どちらかがもう一方へ頼り切ってしまうのは、健全な夫婦関係とは言えなくなってしまうと思いますので、何事も苦楽を共にし分かち合う覚悟が必要なのだと思います!。今日は、この辺で失礼します。
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